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代々木八幡宮
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【住所】 東京都渋谷区代々木5丁目1-1

【主祭神】応神天皇

【創建】 建暦2年(1212年)

【例大祭】9月23日

【末社】 稲荷社、榛名社、天神社、出世稲荷社

【社務所】あり

【ご神職】いる

【授与品】御朱印、御朱印帳、おみくじ、御守(金魚守など)、御札、絵馬、

【駐車場】3カ所あり

【HP】  https://yoyogihachimangu.or.jp/

【御由緒】
鎌倉時代、二代将軍・源頼家の側近であった近藤三郎是茂(これもち)の家来で荒井外記(げき)智明(ともあきら)という方が、頼家公暗殺の後、名も宗祐(そうゆう)と改めてこの代々木野に隠遁し、主君の菩提を弔って暮らしていましたが、時に建暦2年(1212年)8月15日夜、霊夢の中で八幡大神の託宣と宝珠の鏡を感得しました。
そこで同年9月23日、元八幡の地に小さな祠を建て、鶴岡八幡宮を勧請したのが創始とされています。

HPより
 こちらの神社は代々木八幡宮です。小田急電鉄小田原線(本線)の代々木八幡駅の名前の由来になった神社なので、神社名だけは知っている方も多いのではないでしょうか。大通りである山手通りに面しているので、非常にわかりやすいところに建っています。

 地図上ではあまりわかりませんがこの辺りは結構起伏がある土地で、代々木八幡宮は台地の上に立地しています。そのため全ての参道が石段もしくは上り坂となっています。

 上の写真の通り表参道も石段から始まっています。それゆえ石碑類を立てる場所が無く、狛犬や社号碑が一段嵩上げした台座の上に鎮座しています。

 ちなみにこの石段の左手に公衆トイレがあって、その先にも西参道の長い石段があります。こちらは拝殿への最短ルートですが、殺風景なので今回はパスします。

 で、石段を登ると石畳の続くなだらかな参道が姿を現します。

 参道の左手にはベンチがあるので、木漏れ日を浴びながら休憩できます。周囲には木々が多く少し薄暗い印象です。椎の木やシュロの木なんかが多いように思います。ちょっと薄暗いので少々涼しく、上着を一枚多く羽織ったほうがいいと思います。

 しばらく参道を進むと、左に折れ曲がります。すると小いいさな石段が現れ、二の鳥居が見えてきました。左右には石灯篭もありますね。見た感じこの二の鳥居は割と新しそうです。近年新調したのか石灯籠との色の差が激しく、かなり際立っています。

 最後の石段を登り二の鳥居をくぐると、参道がまっすぐ伸びていきます。その先に見えるのが、代々木八幡宮の拝殿です。遠近法の効果もあって、拝殿がより神聖に見えます。

 ところで右側に塀がありますが、この隣に福泉寺というお寺があります。天台宗の寺院だそうで、恐らくは代々木八幡宮の別当寺だったのだと思います。

 そして反対の左側林の中には神社に似つかわしくないというか、あまり見られない意外なものが建っています。それがこちらです。

 社殿ではなく、なんと縄文時代の竪穴式住居の原寸大復元模型です。まあ、神社では珍しいですよ。ちゃんと木材とわらを使って精巧に造っています。よく見ると他所の復元模型と違って、屋根のトップのところが少々入母屋造になっていて、排煙ができるようになっています。当時は住居の中央に石で囲んで作った炉を設けるのが通例で、住居内で煮炊きをしていたことがわかっているので、こういう排煙装置はないと困りますからね。しっかり工夫されています。

 ただ一つおかしいのが、入口が狭すぎること。いくら縄文人の身長が現代人よりも低く150cm程度だったとしても、これだと入れんだろとツッコミ入れたくなりますが、そこには気付かなかったのかなと。「どないして入んねんっ!」って、誰か言うたったれ思いますけどね。

 ちなみになんで竪穴式住居がここにあるのかは、また後程説明します。

 そんな竪穴式住居を後にすると、視界が一気に開けます。ハイお待ちかね、拝殿へ到着です。

 神社としては極々一般的な権現造の社殿です。江戸時代に登場した様式で、社殿造営が一気に増えたこの時代に日本全国に広がりました。この神社もそのあおりを受けて取り入れたのでしょう。

 八幡宮ということで主祭神は応神天皇(誉田別命:ホンダワケノミコト)、勝運の神様とされています。諏訪神社系列の建御名方神(タケミナカタ)と並ぶ、勝運の二大勢力の一つです。特に阪東武者は好んで八幡神を崇拝したので、都内には数多くの八幡宮がありあます。

 そんな御祭神を祭る社殿の傍らでは、早くも桜が満開になっていました。

 この日は3月中旬だったのに、すでに葉桜になり始めていました。早咲きでかなりピンク色が濃いことか、品種は河津桜ではないかと思います。こうして桜が咲き始めたのを見ると、ようやく暖かくなってきたと感じます。

 この他にもこんな花も咲いていました。

 ラン科の植物かと思いますが、これまた綺麗なピンク色の花が丁度いい咲き具合でした。いよいよ春本番になりつつあるなと感じさせます。
 右奥の駐車場エリアには、付属の建物がいくつかあります。まずは御神庫。お祭りの際にご神体を運ぶのに使う御神輿を保管しておくための建物です。

 御神庫は二棟ありますが、上の写真のものだけガラス扉になっていて御神輿が見えるようになっています。どうもこの一基だけが特別なもののようです。このショーケースのような仕様の御神庫は神田明神や赤坂氷川神社でも見られます。見るものが増えて、なかなか好奇心をくすぐられます。

 その隣にあるのが神楽殿です。

 この日は特に催し物がなかったので、トタン板で塞がれ中は見えませんでした。奥にある小屋は楽屋でしょうか?神楽殿があることから、例大祭ではお神楽の舞を奉納されるのでしょう。そうなるとまた違った華やかな雰囲気になることでしょう。

 上の写真では見切れてますが、この右にこの神社にしかないちょっと変わったものがあります。

 なんか粗末な衣類を身につけた男女がいます。背後には木の柱にわらを一面張り付けた壁が。そう、縄文人の生活を再現した人形です。しかも手前には接合修復された縄文土器(恐らく本物)も。先ほどの竪穴式住居といい、縄文時代にちなんだものがたくさんあります。

 実はこの代々木八幡宮の境内は、代々木八幡遺跡の発掘調査地でもあるのです。そのためこの建物では、出土物の一部や当時の生活スタイルを想像した模型の展示を行っています。

 手前の方には打製石斧や石棒などの石器、発掘時の写真なども並べられていて、当時一般的に使われていた道具類一式出土したことがわかるようになっています。この辺りは高台で見晴らしがよく水害からも逃れらる上、現在は山手通りの下に埋設されている初台川や宇田川が目の前を流れていて水が得られやすい土地なので、生活するには好都合だったため縄文人が住み着いたのでしょう。

 今度は境内社をお参りします。この鳥居の奥にまとまってあります。というかこの神社の鳥居、石でできたものしかないですね。

 下の写真のように、左右に分かれて紅白の幟旗がずらりと並んでいます。ちょっと異様な雰囲気で、とても神秘的な風景です。

 この幟旗の小道を抜けると、文字の消えかかった古びた看板が現れます。左から稲荷社、天神社、榛名社と墨で書いてあります。

 背後にあるお宮がこの並びで合祀されていることを示しています。そしてそのお宮がこちらです。建物は一つですが、三つに仕切られていて、三社が合わさっていることがわかります。

 その右側には赤い稲荷鳥居があり、紅白の幟旗と飛び石が続いています。この先にも何かあることを匂わせているので、ちょっと行ってみます。

 すると石段の両脇に多数の石のお狐様が散在しています。しかも全部こっちを向いて睨んでるし。これを夜中に見たらかなりホラーを感じそうです。

 で、そのドン付きにあるのが出世稲荷神社です。立身出世と五穀豊穣、商売繫盛のご利益のある神社です。稲荷神社なので、御祭神は稲荷神こと宇迦御魂命(ウカノミタマノミコト)です。まあ、稲荷鳥居や御狐様がいることから察しがつきますね。将来の生活も安心できますようお祈りします。

 さてその他にも石の祠もあります。名前がないので何神社かは確証がありません。ただ立派な石灯籠も備えていて、真榊も備えています。よく見ると、奥に御狐様がいます。最初浅間社かと思っていましたが、この様子だとここも稲荷社のようです。

 その右脇にはまたまた、路地がありました。しかも段差が続いていて、右上へと伸びています。何だか気になるので、試しに登ってみます。

 するとちょっと古めな(勘亭流で谷の字の入ったロゴがあるので、江戸時代か明治初期のものか?)石碑がありました。惣講社と書かれています。う~ん、何でしょう?

 もう一つ似たような石碑がありました。こちらも同じ丸に谷の字のロゴマークがあって、その下に登山四拾七度と書いてあります。

 実はこれ富士塚です。ほとんど原型を留めておりませんが、この神社にも築かれたようです。そして恐らく惣講社の石碑は地元の富士講を表したもので、その47度目の登頂を記念してもう一つの石碑を建立したものと思われます。とはいえ、47度目ってなんと中途半端な数字。

 では最後に御朱印です。以前に頂いたものと、今回頂いたものと二つお見せします。基本デザインは全く同じですが、筆者が異なるので筆跡に大きな違いがあるので比較します。

 印に関しては右上に武蔵國代々木野、中央に代々木八幡宮、左下に八幡神と書かれております。で、筆跡ですが右の方は小筆で伸びやか且つ流れるように書かれているのが特徴です。インパクトはないものの、結構達筆で慣れた感じがあります。一方右の方はかなりダイナミックな筆跡です。強弱のハッキリした字で、軍神を祭る八幡宮らしく大胆な筆跡です。書き手によってかなり差があるのが、人間らしくて面白いですね。


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