【住所】　東京都新宿区余丁町8-5

【主祭神】市杵島姫命（弁財天）

【創建】　1086年（応徳3年）

【例大祭】9月5日

【社務所】1月1日～7日のみ営業（これ以外は西向天神社にて受付）

【ご神職】1月1日～7日のみ所在

【最寄駅】東京メトロ副都心線・都営大江戸線　東新宿駅

【駐車場】なし

【HP】　　一般社団法人新宿観光振興協会のページへ

【御由緒】
1086年（応徳3年）、鎮守府将軍・源義家（八幡太郎）が後三年の役（1083年～1087年）で奥州平定に向かう途中ここに宿営した。この地はこの地域で最も高い場所であり、かつては富士山もよく見えたようで、この時、義家も遠く富士山を望み、さらにその先、安芸に鎮座する厳島神社に戦勝を祈願した。

そして義家は奥州平定を成し遂げ、その帰途、戦勝のお礼のためこの地に神社を建立し、厳島神社を勧請したと伝えられる。

義家がこの地に立ち寄り祈願して苦難を切り抜けたという伝説と、また境内参道が南北に通り抜けできることから「抜弁天」ともいわれ、江戸の六弁天に数えられる。

江戸時代には稲荷神社もあり、徳川綱吉による生類憐れみの令により付近に野犬のための2万5千坪の犬小屋が設置されていた。

Wikipediaより

　交差点や通りの名前になっている、抜弁天（ぬけべんてん）です。交差点の角地に建っている小さな神社でありながらビルの名前にも使われており、都道302号線の大通りに面していて目につきやすいせいか、このエリアのシンボルとなっています。

　この抜弁天は山の手七福神のひとつに数えられてきたことから割と古くからあるお宮で、新宿七福神に名称変更した後も引き続きその一角として祭られています。

　鳥居の横にはこの神社の由来が書かれた看板もあります。

　本名を厳島神社ということは本来御祭神は市杵島姫神（いちきしまひめ）のはずですが、恐らく平安時代に始まり江戸時代まで続いた神仏習合の思想によって、弁財天と同一視されたものと思われます。弁財天は財運、諸芸上達のご利益のある仏様ですが、厳島神社も名乗っていることから水難除け、海上交通の安全のご利益もあるでしょう。

　そして、弁財天に付き物といえば、やはり弁天池。かなり境内が狭いのですが、御多分にもれずこの抜弁天にもちゃんと池がありました。

　新しく作り直したように見えますが、小さいながらしっかり池がありますね。面白いのが手水鉢が池の中に設置してあること。狭い境内なので、ここにしか置けなかったのかもしれないです。でもちゃんと龍口がついていて、口から水が出るようになっています。この龍も縁起物で、金運をもたらすとされているので、手と口をすすいで清めればご利益にあずかれます。

　それにしてもキチンと掃除をしているようで、かなり池の水が澄んでいます。お陰で泳いでいる錦鯉の色がキレイに見えます。三色や黒、金色のまで色々いますね。鯉は泥水を好むので池の水を汚すのですが、こんなに澄んでいるということは手入れしている証拠です。よほど厚く崇拝し、愛着を持っている人がいるのでしょう。

　そして、社殿です。白木の鳥居の奥にある小さな祠が本殿です。手前には弁天池から続く小川が流れていて、石橋を渡しています。奥にある小屋は社務所でカウンター台も見えますが、雨戸が閉められているので中に人はいないです。後で調べたところ、ここの社務所はお正月の1月1日～7日の1週間しか営業しないらしく、それ以外の日は近所の西向天神社が代理で授与をしているとのこと。

　全体的に新築した感がありますが、古代の様式に倣って神明造で建てられています。屋根だけは銅板葺きになっています。境内は隙間なく石畳が敷かれ、こちらもキレイになっています。

　松の木などはまだ幹が細いので、こちらも最近植えたばかりなのでしょうね。今後大きくなったら立派な御神木になるのかもしれません。

　摂末社などはなく、社殿はこれ一つのようです。一球入魂でお祈りします。

　平日の参拝だったので、西向天神社へ行って御朱印をいただきました。こちらでは、御朱印帳へ直書きしてもらえました。

　かなりの走り書きでわかりずらいですが、一番右の行には山之手七福神と書かれています。中央には辨財天。左には日付、抜弁天厳嶋神社と書かれています。

　それにしても、真ん中のハンコが何と書いてあるのかがわからない・・・。